【記事紹介】アメリカ水道会社の株価は右肩上がり!しかし政策リスクもある

2019年6月23日

こんにちは、アーサーです。

もみあげさんがアメリカ水道会社についてとても分かりやすい記事をあげてくれました。

今回はもみあげさんの補足として、アメリカ水道会社の政策リスクについて書いていきます。

株価は順調に伸びている

まずはアメリカ大手水道会社であるアメリカンステイツウォーター【AWR】の株価推移(5年)を見てみます。

アメリカンステイツウォーターの株価推移です。5年間で2倍以上になりました。
*グーグル検索

順調に伸びてきていますね。 1%以上の配当が出る上に、株価が5年間で2倍以上になっています。 残念ながら予想PERは35.48(2019年6月23日時点、米ヤフーファイナンスを参照)と割高ですが、これだけ調子が良ければ安心してホールドしやすいですね。

水道料金を徴収するシステム

アメリカ水道会社のビジネスである水道事業では、住民や企業から水道料金を受け取ることを主な収益としています。 民営の水道料金は一般的に州の公営事業委員会というところが定めており、

  • 水道事業計画
  • 財務状況
  • 水道料金値上げの必要性や妥当性

などを検討したうえで決めているようです。

(参考:米国における水道事業の概要 – 一般財団法人自治体国際化協会)

民営の水道料金は公営よりも割高になる

株式会社であることが前提ですが、民営になると配当や自社株買いという株主還元をしなければならないため、その分は収益を稼がなくてはいけません。 コスト削減をうまくやらない限り、水道料金を公営よりも高くしないと民営ではやっていけないわけですね。

「Food and Water Watch」の2016年の報告書では、アメリカにおいて民営の水道は公営よりも平均で59%も高い料金になったと発表しています。 これだけ高くなると、市民から不満が出てもおかしくありません。

(参考:ピッツバークからフリントへ。悩ましい公共水道を民間企業に任せてしまった悲惨な結末

公営ではできない保険事業

アメリカ水道会社の中には保険事業で稼ぐところもあります。

水道本管から各家庭への引き込み線が破損したら、企業によっては無償で修理してもらえることもあるようですが、自己責任で修理しなくてはならないとする企業もあります。 さらに修理費が高額の業者を指定することで水道利用者のリスクを上げます。

そこで水道会社から「修理補償保険」を売ることで保険料を稼ぐのがこの保険事業となります。

なかなかエグいですね。。

(参考:水道民営化、アメリカでは実際に何が起きたか

利益優先のため人員が削減されがち

経営効率化のために人員は削減され、施設整備にも資金を投入しなくなりがちです。 そうなると短期的には利益が大きく出るのですが、そのうち事故や不祥事が発生してしまい、大きく損をしてしまう場合があります。

さらに不祥事が続くと市民の不満が大きくなるので、自治体は公営に変更せざるを得なくなります。 この民営から公営へ変更されるリスクは結構大きいです。

そもそも日本ではまだ水道の民営化は議論の途中ですし、欧米ではフランスのパリ市やアメリカのアトランタ市、インディアナポリス市の水道が再公営化されるなど、民営化に否定的な動きがあるのも事実です。

実際、水道を再公営化した事業体は2000年から2017年の間に267事例もあります。

(参考:日本人は知らない「水道民営化の真実」フランスと英国で起きたこと

ディフェンシブだがリスクあり

基本的には水道料金は不景気になっても大きく下がらないため、水道株はディフェンシブであることに間違いはないです。 しかしアメリカ保険会社では最近は国民皆保険制度がリスクになっていますが、水道事業でも自治体の政策によって急に利益が上げられなくなるシナリオはありえます。

また市民に対する信用を失いすぎると公営に変えられてしまうので、これらの点に気を付けて水道株に投資をするべきですね。