【VYM】バンガードのアメリカ高配当ETF

【VYM】とは米国株のなかでも高配当のものに分散投資するETFです。
【VYM】は手数料が低いことで有名なバンガード社が運営しています。
高配当の米国株にまとめて投資できる
アメリカは世界の中でもっとも株式市場の規模が大きく、有名企業もたくさんあります。
例えばアップルやマイクロソフト、フェイスブックやアマゾンはすべて米国株として扱われています。
【VYM】では規模の大きい米国株のなかでも高配当のものに限って投資しています。
そのため配当利回りは3.09%(2019年11月2日時点)と投資すれば高い配当金をもらうことが可能です。
例えば100万円を投資したら1年間で約3万円を受け取ることが期待できます。(税金の影響を除く)
VYMの概要
データソースはバンガードのファクトシート(2019年6月30日時点)です。
ベンチマーク | FTSE ハイディビデンド・ イールド・インデックス |
ティッカー | VYM |
経費率 | 0.06% |
ETF純資産総額 | 245.79億ドル |
ファンド純資産総額 | 332.25億ドル |
配当スケジュール | 四半期毎 |
設定日 | 2006年11月10日 |
上場取引所 | NYSE Arca |
【VYM】の信託報酬は0.06%と大変安くなっています。
アメリカ全体に投資する【VTI】は0.03%なので少し高くなっていますが、誤差の範囲だと思います。
ETF純資産額は245.79億ドル、これは日本円で約2兆6500億円にもなります。
信託報酬が低い理由は【VYM】というETFがこれだけの金額を集めることができるからです。
またETFの運営者であるバンガード社が低手数料を推し進めていることも大きいです。
VYMの詳細データ
このデータは2019年6月30日時点のものとなっています。
VYM | VTI | |
構成株式銘柄数 | 421 | 3,637 |
時価総額の中央値 | 1,027億ドル | 726億ドル |
株価収益率 | 16.6倍 | 20.4倍 |
株価純資産倍率 | 2.3倍 | 3.0倍 |
株主資本利益率 | 15.5% | 15.7% |
利益成長率 | 4.0% | 10.6% |
売買回転率 | 13.0% | 3.4% |
標準偏差 | 11.23% | 12.52% |
【VYM】は高配当株421銘柄で構成されており、【VTI】の構成銘柄数の約1割となっています。
株価収益率(PER)は【VTI】の20.4倍に対して16.6倍と割安です。
また株価純資産倍率(PBR)は【VTI】の3.0倍に対して2.3倍とこちらも割安です。
高配当株は株価が安い水準におさえられているからこそ高配当になっているので、割安なのは当然です。
しかし利益成長率は【VTI】の10.6%に対して4.0%しかありません。
通常の企業は利益が出たら利益率が高い事業に再投資することで新たな利益を生み出すことが可能ですが、高配当企業はその分を配当に回してしまうため、利益の増加スピードは全体的に見て遅いことがおおいです。
ただこのデータは好景気時のものなので、不景気になったら【VTI】との利益成長率の差は縮まると予想します。
VYMの産業構成
金融 | 18.4% |
消費財 | 13.9% |
ヘルスケア | 13.0% |
テクノロジー | 10.6% |
消費者サービス | 9.5% |
石油・ガス | 9.2% |
公益 | 8.5% |
資本財 | 8.3% |
通信サービス | 4.9% |
素材 | 3.7% |
産業構成は金融が18.4%、生活必需品が13.9%、ヘルスケアが13.0%と続きます。
金融は低金利化の影響でかなり割安になっており、結果的に高配当になっています。
また生活費需品やヘルスケアはディフェンシブセクターとして有名で、不景気時にとても強いです。
金融セクターはこれからの政策金利が上がるかどうかに依存しているところがあるので将来は不透明ですが、後者の2つは積極的に投資したいセクターとなっています。
VYMの保有上位10銘柄
Johnson & Johnson | 3.6% |
JPMorgan Chase & Co. | 3.5% |
Exxon Mobil Corp. | 3.2% |
Procter & Gamble Co. | 2.7% |
AT&T Inc. | 2.4% |
Cisco Systems Inc. | 2.4% |
Pfizer Inc. | 2.4% |
Chevron Corp. | 2.3% |
Verizon Communications Inc. | 2.3% |
Merck & Co. Inc. | 2.1% |
純資産総額に占める上位10銘柄の割合 | 26.9% |
【VYM】の構成比率TOP10です。
【VTI】ではマイクロソフト、アップル、アマゾン、アルファベット、フェイスブックとそうそうたる企業が並び立っていましたが、【VYM】には彼らの顔は登場しません。
代わりに製薬企業のジョンソンエンドジョンソン、銀行のJPモルガン、石油メジャーのエクソンモービル、生活必需品を扱うプロクターギャンブルといった企業が主要銘柄となります。
VYMのトータルリターン
2019年6月30日までのトータルリターンです。
VYM | VTI | |
過去1年 | 8.73% | 9.02% |
過去3年 | 10.28% | 14.04% |
過去5年 | 9.00% | 10.18% |
過去10年 | 14.16% | 14.71% |
設定来(2006~) | 7.78% | ― |
【VYM】は【VTI】と比べるとトータルリターンが下回っています。
しかしながら、高配当を受け取りながらこれだけのリターンを享受できるのは魅力的です。
また、不景気時は【VYM】が【VTI】をアウトパフォームする可能性が高いでしょう。
VYMの分配金情報
分配金の単位はドルです。
2019年
2019/09/24 | 0.7864 |
2019/06/17 | 0.6247 |
2019/03/25 | 0.6516 |
合計(暫定) | 2.0627 |
2018年
2018/12/24 | 0.7388 |
2018/09/26 | 0.6718 |
2018/06/22 | 0.6302 |
2018/03/26 | 0.6084 |
合計 | 2.6492 |
2017年
2017/12/21 | 0.6431 |
2017/09/20 | 0.602 |
2017/06/23 | 0.596 |
2017/03/22 | 0.56 |
合計 | 2.4011 |
【VYM】は2018年に2.64ドルの分配を行っています。
日本円にして約280円ですね。
2019年11月2日時点の【VYM】の株価は90.4ドルなので、約9800円を投資したら約280円を受け取ることができます。(税金を除く)
さらに今年はそのラインを超えてくると思います。
VYMの株価指標
予想PER:14.62(2019年9月30日時点、モーニングスターHPより)
配当利回り:3.09%(2019年11月2日時点)
VYMのまとめ
【VYM】では高配当米国株にまとめて投資できる。
このETF1本で高配当株の管理もしてくれるので、とても便利な代物です。
高配当を受け取りたいと思ったら【VYM】などの高配当ETFへの投資を検討することをおすすめします。
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