【VPUセクター分析】アメリカ公共セクターは守備力が高いところが魅力!電力会社が多数を占める

こんにちは、アーサーです。
今回はアメリカ公共セクターETFのVPUをご紹介します。
データソースはバンガードのファクトシート(2019年6月30日時点)です。
VPUの概要
ベンチマーク | MSCI USインベスタブル・マーケット・ 公益事業25/50インデックス |
ティッカー | VPU |
経費率 | 0.10% |
ETF純資産総額 | 37.95億ドル |
ファンド純資産総額 | 49.67億ドル |
配当スケジュール | 四半期毎 |
設定日 | 2004年1月26日 |
上場取引所 | NYSE Arca |
VPUの詳細データ
構成株式銘柄数 | 69 |
時価総額の中央値 | 287億ドル |
株価収益率 | 23.7倍 |
株価純資産倍率 | 2.2倍 |
株主資本利益率 | 9.1% |
利益成長率 | 6.8% |
売買回転率 | 4.0% |
標準偏差 | 10.59% |
VPUの時価総額内訳
大型株 | 55.6% |
中・大型株 | 14.4% |
中型株 | 18.9% |
中・小型株 | 6.8% |
小型株 | 4.3% |
VPUの産業構成
電力 | 56.1% |
総合公益事業 | 30.2% |
ガス | 5.4% |
水道 | 4.1% |
独立系発電事業者・エネルギー販売業者 | 3.3% |
再生エネルギー系発電事業者 | 0.9% |
VPUの保有上位10銘柄
NextEra Energy Inc. | 10.4% |
Duke Energy Corp. | 6.8% |
Dominion Energy Inc. | 6.6% |
Southern Co. | 6.1% |
Exelon Corp. | 4.9% |
American Electric Power Co. Inc. | 4.6% |
Sempra Energy | 4.0% |
Xcel Energy Inc. | 3.2% |
Public Service Enterprise Group Inc. | 3.2% |
Consolidated Edison Inc. | 3.0% |
純資産総額に占める上位10銘柄の割合 | 52.8% |
VPUのトータルリターン
2019年6月30日までのトータルリターンです。
過去1年 | 18.24% |
過去3年 | 8.52% |
過去5年 | 10.11% |
過去10年 | 12.47% |
設定来(2004~) | 10.25% |
VPUの分配金情報
分配金の単位はドルです。
2019年
2019/06/21 | 0.9811 |
2019/03/21 | 0.9454 |
合計(暫定) | 1.9265 |
2018年
2018/12/13 | 1.0179 |
2018/09/24 | 0.9343 |
2018/06/28 | 1.0156 |
2018/03/16 | 0.8389 |
合計 | 3.8067 |
2017年
2017/12/14 | 0.9354 |
2017/09/27 | 0.963 |
2017/06/28 | 0.876 |
2017/03/24 | 0.933 |
合計 | 3.7074 |
VPUの株価指標
予想PER: 20.41(2019年8月31日時点、モーニングスターHPより)
配当利回り:2.71%(2019年9月22日時点)
VPUに対するコメント
VPUはアメリカ公共セクター全体に投資できる便利なセクターETFです。
電力会社が多く、電力のみで56.1%の構成率をほこります。
公共セクターでは電力会社のネクステラエナジーが有名で、構成率は10%を超えています。
他には電力とガス事業を持つデューク・エナジーやドミニオン・エナジーなどがあります。
VPUの強み
- 守備力が高い
- 生活に必ず必要なサービスを扱っている
- 高配当
公共セクターの最大の強みはその守備力の高さにあります。
その理由は電力やガス・水道など生活に必ず必要なサービスを扱っているからです。
不景気時にもこの類のサービスを利用しないわけにはいかないですし、公共料金は好景気時でも価格が抑えられていることが多いので、不景気時に大幅な価格調整をしなくてすみます。
不景気耐性が強く、長期的に保有しやすいセクターだといえます。
安定しているセクターなだけに高配当でもあります。
最近は株価が急伸した影響で配当利回りが落ちていますが、それでも2%後半台の利回りは悪くないと思います。
VPUの弱み
- 政策の影響を大きく受けやすい
- 公益性の高い事業のため、成長性が抑えられる
- 最近は割高になっている
公益を扱う事業のため、政策の影響を受けやすいです。
極端な例でいうと、「原発の使用を禁止する」という政策が発表されたら原発を保有している電力会社には大きな打撃となります。
また公共料金も政策や市民の声が反映されやすいところがあるため価格が抑えられやすく、結果として企業としての成長性までもが抑えられてしまうことになります。
また最近は貿易戦争の影響でディフェンシブの公共セクターがよく買われたため、割高となっています。
シーゲル教授の研究における公共セクター
シーゲル教授の『株式投資の未来』では1957年から2003年までの各セクターの市場シェアとリターンを調査しており、以下がその結果となります。
S&P500 | 10.85% |
ヘルスケア | 14.19% |
生活必需品 | 13.36% |
情報技術 | 11.39% |
エネルギー | 11.32% |
一般消費財 | 11.09% |
金融 | 10.58% |
資本財 | 10.22% |
電気通信 | 9.63% |
公益事業 | 9.52% |
素材 | 8.18% |
公共セクターは市場平均を下回り、9.52%の年率リターンとなりました。
しかし設立時(2004年)からのリターンは10.25%とおそらく市場平均をアウトパフォームする結果となりました。
これはリーマンショックと貿易戦争によるリスクオン局面での強さが反映された結果だと思います。
特にここ1年のトータルリターンは18.24%となかなかですね。
VPUの今後
公共セクターETFはポートフォリオを守備的にしたいときに役立ちます。
不景気耐性があるのは魅力ですし、懸念とされている成長性の低さも最近のトータルリターンを見る限りでは緩和されているのかもしれません。
ただ東京電力のような不祥事が発生すると公共セクターにとっても大きな打撃となりますので、そのようなリスクがあることを認識した上で投資していきたいですね。
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この記事では各セクターを成長、安定、割安の3つの指標を使って評価しています。
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