【VFHセクター分析】アメリカ金融セクターETFはJPモルガンやバークシャーがメインで政策金利に影響される

2019年9月3日

こんにちは、アーサーです。

今回はアメリカ金融セクターETFのVFHをご紹介します。

データソースはバンガードのファクトシート(2019年6月30日時点)です。

VFHの概要

ベンチマークMSCI USインベスタブル・
マーケット・金融25/50
ティッカーVFH
経費率0.10%
ETF純資産総額74.35億ドル
ファンド純資産総額79.89億ドル
配当スケジュール四半期毎
設定日2004年1月26日
上場取引所NYSE Arca

VFHの詳細データ

構成株式銘柄数426
時価総額の中央値506億ドル
株価収益率13.3倍
株価純資産倍率1.4倍
株主資本利益率10.0%
利益成長率9.2%
売買回転率3.3%
標準偏差16.90%

VFHの時価総額内訳

大型株66.1%
中・大型株3.5%
中型株14.9%
中・小型株6.6%
小型株8.8%

VFHの産業構成

都市銀行27.9%
地方銀行15.0%
動産保険・損害保険8.8%
マルチセクター持株会社7.4%
取引所およびデータ提供会社7.2%
資産運用会社・資産管理銀行6.3%
投資銀行・証券会社6.1%
消費者金融5.7%
生命保険・健康保険5.0%
保険ブローカー3.8%

VFHの保有上位10銘柄

JPMorgan Chase & Co.9.4%
Berkshire Hathaway Inc.7.2%
Bank of America Corp.6.9%
Wells Fargo & Co.5.3%
Citigroup Inc.4.2%
American Express Co.2.3%
US Bancorp2.1%
CME Group Inc.1.8%
Goldman Sachs Group Inc.1.7%
Chubb Ltd.1.7%
純資産総額に占める上位10銘柄の割合42.6%

VFHのトータルリターン

2019年6月30日までのトータルリターンです。

過去1年4.76%
過去3年15.62%
過去5年10.45%
過去10年13.28%
設定来(2004~)4.22%

VFHの分配金情報

分配金の単位はドルです。

2019年

2019/06/210.3752
2019/03/210.3594
合計(暫定)0.7346

2018年

2018/12/130.4025
2018/09/240.3535
2018/06/280.3604
2018/03/160.2477
合計1.3641

2017年

2017/12/140.3521
2017/09/270.305
2017/06/280.27
2017/03/240.147
合計1.0741

VFHの株価指標

予想PER:12.37(2019年7月31日時点、モーニングスターHPより)

配当利回り:2.21%(2019年8月30日時点)

VFHに対するコメント

VFHはアメリカ金融セクター全体に投資できる便利なセクターETFです。 
都市銀行と地方銀行で42.9%の構成率となっており、銀行の活躍次第で大きくリターンも変わってきます。

VFHの主力は大手銀行のJPモルガンやバンクオブアメリカ、伝説の投資家ウォーレン・バフェットがCEOを務めるバークシャー・ハサウェイとなります。
保険関係が17.6%、資産運用会社や投資銀行関係が12.4%あることにも注目です。

VFHの強み

  • 適切な金利下なら成長性は高い
  • 好景気に強い
  • 過去の金融危機の影響もあり割安

適切な金利が提供されている市場では、銀行は高い収益性を示します。
例えば政策金利が2%のとき、普通預金の金利を0.1%にすれば1.9%の利ざやを取ることができます。
しかし政策金利が0.1%ならどうやっても利ざやは0.1%を超えることができません。
銀行にとっては適切な金利があるかどうかは死活問題にもなるわけです。

また金利が低すぎると長期的に見て債券のリターンもあまりかんばしくないものになるため、投資部門にも厳しい環境になってしまいます。

逆に政策金利がガンガン上がるような好景気では金融セクターは強さを見せます。
銀行部門はもちろん、投資部門でも大きく稼ぐことができるわけですから、多くの利益を計上することができます。

現在の株価はかなり割安な評価となっています。
リーマンショックの影響は絶大で、その後の金融セクターは割安の時期が続いています。
政策金利も3%を超えてこないまま利下げを行った上に将来の金利見通しも明るくないために、割安になるのは仕方ないと思います。
しかし投資家にとって、割安は強みになります。

VFHの弱み

  • 政策金利に影響される
  • 不景気時は低金利と投資収益悪化のダブルパンチ
  • インデックスファンドの台頭により投資部門の収益性が悪化

前述したように銀行のビジネスモデルが政策金利に大きく影響されるのが金融セクターのひとつの弱みとなります。
特にマイナス金利となってしまうと本来のビジネスモデルが成立しなくなってしまい、利益をあげるのが難しくなってしまいます。

金融セクターは景気敏感セクターとも呼ばれており、景気が下り坂のときはパフォーマンスが悪化します。
不景気時は金融緩和のために政策金利が下がるので、金融セクターにもダメージが入ります。
さらに株価も大きく下がってしまうため、投資部門も厳しい戦いとなります。

インデックスファンドの台頭により投資に対する手数料支払いが少なくなってきているのも金融セクターにとっては不安材料になります。
投資信託で高い手数料を取ることができなくなれば、ひとつのビジネスモデルが潰れてしまいます。
しかしながら高い手数料を払うことのメリットがほとんどないので、消費者側からすると健全化が進んでいるという評価になり、これが金融セクターにとっては痛みになります。

シーゲル教授の研究では金融セクターは健闘するが市場平均に敗れる

シーゲル教授の『株式投資の未来』では1957年から2003年までの各セクターの市場シェアとリターンを調査しており、以下がその結果となります。

S&P50010.85%
ヘルスケア14.19%
生活必需品13.36%
情報技術11.39%
エネルギー11.32%
一般消費財11.09%
金融10.58%
資本財10.22%
電気通信9.63%
公益事業9.52%
素材8.18%

金融セクターは市場平均を少し下回り、10.58%の年率リターンとなりました。
金融危機であるリーマンショックの影響を大きく受けており、設立時(2004年)からのリターンは4.22%と低調に終わっています。
しかしながらリーマンショック後は銀行の国有化も意識され大きく割安になったこともあり、過去10年のリターンは13.28%と良好なものでした。
特にバンクオブアメリカはリーマンショック前の株価が50ドルだったものがリーマンショック時に国有化のウワサが飛んだこともあり4ドル以下にまで下げる局面すらありました。
残念ながらバンクオブアメリカの現在の株価は約27ドルとリーマンショック前の株価を超えることはできていません。

VFHの今後

金融セクターは政策金利の影響を強く受けるため、その動向には注意したいですね。
不景気入りすると景気敏感セクターなのでパフォーマンスが悪化することも気になります。
しかし現在は割安性が大きく投資対象としてはなかなか魅力的でもあります。
金利がそれなりの水準以上を維持することが期待できるのなら、面白いセクターだと思います。

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この記事では各セクターを成長、安定、割安の3つの指標を使って評価しています。

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