【VDEセクター分析】米国エネルギーセクターの主要銘柄はエクソンモービルとシェブロン!原油価格の動向が重要に!

こんにちは、アーサーです。
今回はアメリカエネルギーセクターETFのVDEをご紹介します。
データソースはバンガードのファクトシート(2019年6月30日時点)です。
VDEの概要
ベンチマーク | MSCI USインベスタブル・マーケット・ エネルギー25/50インデックス |
ティッカー | VDE |
経費率 | 0.10% |
ETF純資産総額 | 35.04億ドル |
ファンド純資産総額 | 40.33億ドル |
配当スケジュール | 四半期毎 |
設定日 | 2004年9月23日 |
上場取引所 | NYSE Arca |
VDEの詳細データ
構成株式銘柄数 | 139 |
時価総額の中央値 | 550億ドル |
株価収益率 | 14.9倍 |
株価純資産倍率 | 1.5倍 |
株主資本利益率 | 6.3% |
利益成長率 | -6.4% |
売買回転率 | 4.6% |
標準偏差 | 21.14% |
VDEの時価総額内訳
大型株 | 73.9% |
中・大型株 | 1.9% |
中型株 | 14.4% |
中・小型株 | 3.9% |
小型株 | 5.9% |
VDEの産業構成
総合石油・ガス | 42.6% |
石油・ガス探査・開発 | 26.3% |
石油・ガス貯蔵・輸送 | 10.3% |
石油・ガス精製・販売 | 9.9% |
石油・ガス装置・サービス | 9.5% |
石油・ガス掘削 | 1.1% |
石炭・消耗燃料 | 0.3% |
VDEの保有上位10銘柄
Exxon Mobil Corp. | 23.0% |
Chevron Corp. | 17.0% |
ConocoPhillips | 5.1% |
Schlumberger Ltd. | 3.9% |
EOG Resources Inc. | 3.9% |
Phillips 66 | 3.0% |
Kinder Morgan Inc. | 3.0% |
Marathon Petroleum Corp. | 2.8% |
Valero Energy Corp. | 2.6% |
Anadarko Petroleum Corp. | 2.6% |
純資産総額に占める上位10銘柄の割合 | 66.9% |
VDEのトータルリターン
2019年6月30日までのトータルリターンです。
過去1年 | -16.54% |
過去3年 | -0.88% |
過去5年 | -7.26% |
過去10年 | 4.34% |
設定来(2004~) | 5.76% |
VDEの分配金情報
分配金の単位はドルです。
2019年
2019/06/21 | 0.6869 |
2019/03/21 | 0.6673 |
合計(暫定) | 1.3542 |
2018年
2018/12/13 | 0.669 |
2018/09/24 | 0.6763 |
2018/06/28 | 0.6458 |
2018/03/16 | 0.5921 |
合計 | 2.5832 |
2017年
2017/12/14 | 0.5997 |
2017/09/27 | 1.098 |
2017/06/28 | 0.587 |
2017/03/24 | 0.586 |
合計 | 2.8707 |
VDEの株価指標
予想PER:16.52 (2019年8月31日時点、モーニングスターHPより)
配当利回り:3.30%(2019年9月21日時点)
VDEに対するコメント
VDEはアメリカエネルギーセクター全体に投資できる便利なセクターETFです。
石油と天然ガスを扱う企業が集まっており、石油メジャー、石油探査・生産会社、油田サービス会社、採掘会社、天然ガス会社、精製会社などがありますが、それらをすべて含めると産業構成率は99.7%を占めます。
石油メジャーのエクソンモービル(XOM)とシェブロン(CVX)が主要構成銘柄で、VDEの4割を担う主力となります。
VDEの強み
- 原油価格が高くなる局面では良好なパフォーマンスが期待できる
- 高配当
- 割高ではない
エネルギーセクターは原油価格の動向に支配されているといっても過言ではありません。
なぜなら原油が高くなればその分だけ利益も増えるからです。
例えば原油生産の原価が1バレル40ドルだとします。
もし原油価格が1バレル50ドルなら利ざやは1バレルあたり10ドルとなります。
しかし原油価格が1バレル80ドルに高騰すれば利ざやはなんと1バレルあたり40ドルと、4倍になるわけです。
またエネルギーセクターの特徴として高配当があります。
約3%の配当は高配当投資家にとって魅力にうつると思います。
100万円投資したら減配がなければ毎年3万円の収入が期待できます。
またエネルギーセクターは過去10年のパフォーマンスがセクター別で一番悪かったため、割高とはなっていません。
割安とまで言い切れない状態になっているのは、高配当による株主還元姿勢を評価しているからだと思います。
原油価格が伸びれば利益も大きく伸びる産業なので、原油価格の反発を市場が予想しているのかもしれません。
VDEの弱み
- 原油価格が下落すると株価も落ちる
- シェールガス革命により原油供給が大幅に増えてしまった
- エクソンとシェブロンの影響が大きい
原油価格が下落するとエネルギーセクターの株価も落ちることが多いです。
利ざやが減るというのが一番痛いのですが、多額の設備投資をしてしまっている以上は後戻りできないというのもつらいところです。
過去10年のリターンがセクター別で一番良くなかった原因は、アメリカ発のシェールガス革命です。
これによりアメリカは原油生産量で世界一位になりましたが、残念ながら石油メジャーにとっては朗報ではありませんでした。
なぜなら原油の供給量が大幅に増えた結果、原油価格は頭を抑えられてしまったからです。
今後もこのシェールガス革命がエネルギセクターに与える影響は大きいと見ます。
エクソンモービルとシェブロンの構成率が高く、あまり分散がきいていないのも注意点です。
この2社のパフォーマンスがVDEに大きな影響を与えます。
シーゲル教授の研究ではエネルギーセクターは市場平均を超えていたが…
シーゲル教授の『株式投資の未来』では1957年から2003年までの各セクターの市場シェアとリターンを調査しており、以下がその結果となります。
S&P500 | 10.85% |
ヘルスケア | 14.19% |
生活必需品 | 13.36% |
情報技術 | 11.39% |
エネルギー | 11.32% |
一般消費財 | 11.09% |
金融 | 10.58% |
資本財 | 10.22% |
電気通信 | 9.63% |
公益事業 | 9.52% |
素材 | 8.18% |
エネルギーセクターは市場平均を上回り、11.32%の年率リターンとなりました。
しかし設立時(2004年)からのリターンは5.76%とこれまでのリターンを維持できませんでした。
ここ5年のトータルリターンはシェールガス革命の影響が大きく年率で-7.26%と悲しいことになっています。
しかし価格推移的には底が近いと捉えることも可能で、実際に原油価格も安いところに抑えられています。
シェールガス革命による原油供給増がとどまれば、投資のチャンスがやってくるかもしれません。
VDEの今後
エネルギーセクターはやはり原油価格次第だといえます。
この原油価格が長期的にみて上にいくか下にいくかによってこのセクターの未来が変わります。
シェールガス革命の影響はまだ続きそうですが、原油価格の長期見通しに自信がある方にとっては投資対象になると思います。
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