【VDCセクター分析】アメリカ生活必需品セクターはディフェンシブ!コカコーラやペプシが有名

こんにちは、アーサーです。
今回は生活必需品セクターETFのVDCをご紹介します。
データソースはバンガードのファクトシート(2019年3月31日時点)です。
VDCの概要
ベンチマーク | MSCI USインベスタブル・ マーケット・生活必需品25/50 |
ティッカー | VDC |
経費率 | 0.10% |
ETF純資産総額 | 46.17億ドル |
ファンド純資産総額 | 52.53億ドル |
配当スケジュール | 四半期毎 |
設定日 | 2004年1月26日 |
上場取引所 | NYSE Arca |
VDCの詳細データ
構成株式銘柄数 | 92 |
時価総額の中央値 | 1,076億ドル |
株価収益率 | 21.0倍 |
株価純資産倍率 | 4.0倍 |
株主資本利益率 | 21.9% |
利益成長率 | 3.0% |
売買回転率 | 8.2% |
標準偏差 | 11.10% |
VDCの時価総額内訳
大型株 | 77.5% |
中・大型株 | 5.1% |
中型株 | 9.8% |
中・小型株 | 2.1% |
小型株 | 5.5% |
VDCの産業構成
家庭用品 | 21.8% |
清涼飲料 | 19.5% |
包装食品・肉 | 16.9% |
大型スーパーマーケット・ スーパーマーケット | 12.2% |
タバコ | 12.1% |
パーソナル用品 | 3.8% |
薬品小売り | 3.0% |
食品流通 | 2.9% |
農産物 | 2.6% |
蒸留酒・ワイン | 2.5% |
VDCの保有上位10銘柄
Procter & Gamble Co. | 13.3% |
Coca-Cola Co. | 9.4% |
PepsiCo Inc. | 8.7% |
Walmart Inc. | 7.0% |
Philip Morris International Inc. | 6.7% |
Altria Group Inc. | 5.1% |
Costco Wholesale Corp. | 4.9% |
Mondelez International Inc. | 4.1% |
Colgate-Palmolive Co. | 3.1% |
Walgreens Boots Alliance Inc | 3.0% |
純資産総額に占める上位10銘柄の割合 | 65.3% |
VDCのトータルリターン
2019年3月31日までのトータルリターンです。
過去1年 | 9.69% |
過去3年 | 5.02% |
過去5年 | 8.28% |
過去10年 | 13.69% |
設定来(2004~) | 9.56% |
VDCの分配金情報
分配金の単位はドルです。
2019年
2019/06/21 | 1.0397 |
2019/03/21 | 0.7475 |
合計(暫定) | 1.7872 |
2018年
2018/12/13 | 1.0436 |
2018/09/24 | 0.8211 |
2018/06/28 | 1.2474 |
2018/03/16 | 0.5357 |
合計 | 3.6478 |
2017年
2017/12/14 | 1.0357 |
2017/09/27 | 0.771 |
2017/06/28 | 1.037 |
2017/03/24 | 0.834 |
合計 | 3.6777 |
VDCの株価指標
予想PER:20.01(2019年7月31日時点、モーニングスターHPより)
配当利回り:2.38%(2019年8月28日時点)
VDCに対するコメント
VDCは米国生活必需品セクター全体に投資できる便利なセクターETFです。
「生活必需品」とは暮らしをする上で必要になるもので、売上が景気変動に左右されにくい特徴があります。
VDCの主力は日用品メーカーのプロクター&ギャンブル、清涼飲料水で有名なコカコーラやペプシコーラとなります。
高配当株として人気なタバコ産業の割合が12.1%あることにも注目です。
VDCの強み
- 不景気にとにかく強い
- ブランドで稼ぐ企業が多い
- 設備投資が少ない
生活必需品セクターは不景気でも需要が落ちないことから、ディフェンシブセクターとも呼ばれます。
他のディフェンシブセクターはヘルスケアと公共ですが、この二つのセクターと比べて政策の影響を受けづらい生活必需品セクターはよりディフェンシブだともいえます。
ブランドを使って稼ぐ企業も多いです。
コカコーラやペプシコーラは特に有名で、ブランド力の高さがそのまま粗利率の高さにつながっています。
価格競争に強いため、値下げ合戦で利益がゼロになるということは起きないです。
生活必需品セクターは設備投資が少ない額ですみます。
設備投資にはリスクがあり、せっかく作った設備が不景気による需要減少や技術革命で使えなくなる可能性があるわけですが、このセクターではそのような不安を抱く必要はないです。
VDCの弱み
- 成長性は低め
- 安定度が高いので割高になることがある
- プライベートブランドや健康志向が脅威
安定しているところが魅力の生活必需品セクターですが、ハイテクセクターやヘルスケアセクターと比べるとさすがに成長性は落ちます。
しかし市場が縮小するというレベルでもなく、低めながらもそれなりの成長は期待できます。
しかしこのスペックの高さから長期投資家や高配当を選好する投資家に人気であるため、若干割高となることが多いです。
いくらスペックが高くても割高の度合によってはすべてが台無しになるので、注意したいところです。
最近はプライベートブランドが脅威になってきています。
特にECサイトのアマゾンは自社製品を全面に押し出すことが可能なため、ECサイト内では優位に戦われてしまいます。
また人類の寿命が急速に伸びてきていることから、健康志向が広まっています。
寿命の長期化が大きな理由となっているため、一時的なブームではないと私は考えています。
この打撃を特に受けるのがタバコ産業、次点で糖分を大量に使っている清涼飲料水メーカーになります。
とはいえ清涼飲料水メーカーについては「コカコーラ・ゼロ」のような糖分ゼロ飲料が成長してきており環境に対応しているので、そこまでの不安はありません。
しかしタバコ産業は電子タバコの成長率が高いですが、健康被害もあるため「コカコーラ・ゼロ」と同じようにはいかないと思います。
結局のところ、「健康志向」に適応できるかどうかが大事になってきます。
シーゲル教授の研究では生活必需品セクターが優秀なパフォーマンスを示した
シーゲル教授の『株式投資の未来』では1957年から2003年までの各セクターの市場シェアとリターンを調査しており、以下がその結果となります。
S&P500 | 10.85% |
ヘルスケア | 14.19% |
生活必需品 | 13.36% |
情報技術 | 11.39% |
エネルギー | 11.32% |
一般消費財 | 11.09% |
金融 | 10.58% |
資本財 | 10.22% |
電気通信 | 9.63% |
公益事業 | 9.52% |
素材 | 8.18% |
生活必需品セクターは市場平均を上回り、ヘルスケアにつぐパフォーマンスを残すことができています。
最近では過去3年のリターンこそ5.02%と比較的低いものとなってしまっていますが、過去10年では13.69%のリターンとなっており、長期投資家にとって十分なリターンを提供してきました。
VDCの今後
プライベートブランドや健康志向が脅威となってきており、これまでのパフォーマンスを今後も発揮できるかどうかはわかりません。
しかし不景気時にも安定した利益を出すことができるのは大きな魅力です。
安定した成長で長期投資家に貢献してくれるセクター、それが生活必需品だといえます。
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この記事では各セクターを成長、安定、割安の3つの指標を使って評価しています。
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