【VCRセクター分析】王者アマゾンが属する一般消費財セクター、好景気時は期待できる

こんにちは、アーサーです。
今回はアメリカ一般消費財セクターETFのVCRをご紹介します。
データソースはバンガードのファクトシート(2019年6月30日時点)です。
VCRの概要
ベンチマーク | MSCI USインベスタブル・マーケット・ 一般消費財・サービス25/50インデックス |
ティッカー | VCR |
経費率 | 0.10% |
ETF純資産総額 | 30.87億ドル |
ファンド純資産総額 | 34.12億ドル |
配当スケジュール | 四半期毎 |
設定日 | 2004年1月26日 |
上場取引所 | NYSE Arca |
VCRの詳細データ
構成株式銘柄数 | 304 |
時価総額の中央値 | 539億ドル |
株価収益率 | 23.4倍 |
株価純資産倍率 | 4.5倍 |
株主資本利益率 | 22.1% |
利益成長率 | 16.5% |
売買回転率 | 28.1% |
標準偏差 | 14.97% |
VCRの時価総額内訳
大型株 | 66.3% |
中・大型株 | 2.2% |
中型株 | 15.0% |
中・小型株 | 7.9% |
小型株 | 8.5% |
VCRの産業構成
インターネット販売・通信販売 | 29.1% |
レストラン | 12.9% |
住宅関連用品小売り | 10.3% |
ホテル・リゾート・クルーズ船 | 4.9% |
衣料小売り | 4.8% |
履物 | 4.0% |
自動車製造 | 3.8% |
総合小売り | 3.7% |
アパレル・アクセサリー・贅沢品 | 3.6% |
自動車小売り | 3.4% |
VCRの保有上位10銘柄
Amazon.com Inc. | 22.4% |
Home Depot Inc. | 7.6% |
McDonald’s Corp. | 5.1% |
NIKE Inc. | 3.4% |
Starbucks Corp. | 3.4% |
Booking Holdings Inc. | 2.7% |
Lowe’s Cos. Inc. | 2.6% |
TJX Cos. Inc. | 2.1% |
General Motors Co. | 1.6% |
Target Corp. | 1.5% |
純資産総額に占める上位10銘柄の割合 | 52.4% |
VCRのトータルリターン
2019年6月30日までのトータルリターンです。
過去1年 | 7.05% |
過去3年 | 15.26% |
過去5年 | 12.05% |
過去10年 | 18.91% |
設定来(2004~) | 9.92% |
VCRの分配金情報
分配金の単位はドルです。
2019年
2019/06/21 | 0.4591 |
2019/03/21 | 0.4285 |
合計(暫定) | 0.8876 |
2018年
2018/12/13 | 0.5599 |
2018/09/24 | 0.5531 |
2018/06/28 | 0.5514 |
2018/03/16 | 0.3945 |
合計 | 2.0589 |
2017年
2017/12/14 | 0.5049 |
2017/09/27 | 0.536 |
2017/06/28 | 0.428 |
2017/03/24 | 0.412 |
合計 | 1.8809 |
VCRの株価指標
予想PER:21.14(2019年7月31日時点、モーニングスターHPより)
配当利回り:1.08%(2019年9月14日時点)
VCRに対するコメント
VCRはアメリカ一般消費財セクター全体に投資できる便利なセクターETFです。
産業構成率はインターネット販売・通信販売で29.1%、レストランや住宅関連用品小売りも含めると52.3%と半分以上を占めるようになります。
あのアマゾンだけで22.4%と一般消費財セクターでは大きな影響力を持ちます。
他の有名企業としては世界最大級のホームセンター企業のホームデポが7.6%、ファーストフードチェーン店のマクドナルドが5.1%、スポーツ関連用品を扱うナイキとコーヒーチェーン店のスターバックスがともに3.4%となっています。
VCRの強み
- 好景気に強い
- アマゾンという成長エンジンがある
- 生活に必要なサービスを提供している企業が多い
一般消費財セクターは景気に影響されやすく、景気循環セクターとも呼ばれます。
好景気時は良いリターンを期待できます。
不景気時は株価が安くなることが予想されるので、そのタイミングで投資したいセクターです。
そしてアマゾンの影響が凄まじいです。
ここ10年のトタールリターンは18.91%とすごいことになっていますが、その原因はアマゾンで、リーマンショックが起きた2008年終了時点では約57ドルだった株価が今では約1839ドルになりました。
約10年で32倍を超えるリターンというのは異常にも思えるレベルで、アマゾンが一般消費財セクターを引っ張ってきたといってもいいと思います。
生活必需品セクターと同様、生活に必要なサービスを提供している企業が多いです。
アマゾンはECサイト、ホームデポは住宅リフォーム・建設資材・サービス、マクドナルドやスターバックスは外食、ナイキはシューズやアパレルを扱っており、そのどれもが生活に深くかかわっています。
とはいえ生活必需品より必要度は低く、不景気になるとその影響をある程度は受けそうです。
VCRの弱み
- 不景気の影響を受けやすい
- アマゾンの依存度が高い
- 過去のパフォーマンスが良かったこともあり割高
好景気時は良いリターンを期待できますが、 一転不景気になるとこのセクターにある株式は暴落の嵐になってしまう可能性があります。
とはいえマクドナルドのような不景気に強い銘柄も入っているので、今回はそこまで暴落しない可能性もあります。
ただアマゾンの構成率が22.4%となっているので、アマゾンのこれからのパフォーマンスに大きく影響されてしまいます。
良くも悪くもアマゾン次第、ですね。
また過去のリターンが良かったこともあり、割高になっています。
その原因もアマゾンで、今の予想PERは約55となっています。
この数値を割高とみるか、逆に買い時とみるかどうかでこのセクターへの評価は変わってきそうです。
シーゲル教授の研究では一般消費財セクターは市場平均を超える結果に
シーゲル教授の『株式投資の未来』では1957年から2003年までの各セクターの市場シェアとリターンを調査しており、以下がその結果となります。
S&P500 | 10.85% |
ヘルスケア | 14.19% |
生活必需品 | 13.36% |
情報技術 | 11.39% |
エネルギー | 11.32% |
一般消費財 | 11.09% |
金融 | 10.58% |
資本財 | 10.22% |
電気通信 | 9.63% |
公益事業 | 9.52% |
素材 | 8.18% |
一般消費財セクターは市場平均を少し上回り、11.09%の年率リターンとなりました。
設立時(2004年)からのリターンも9.92%とリーマンショックを経験しながらも良好でした。
先ほども言及していますが過去10年のリターンが18.91%と凄まじいことになっています。
アマゾンの成長エンジンは一般消費財セクターを上へ押し上げましたが、これからはどうなるでしょうか。
VCRの今後
一般消費財セクターは景気の影響を強く受ける傾向にあるため、景気動向は確認しておきたいですね。
不景気時のパフォーマンスが悪いということは、不景気になって株安になったところで投資すれば良好なパフォーマンスが期待できるということでもあります。
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この記事では各セクターを成長、安定、割安の3つの指標を使って評価しています。
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