【高利回り】スパイダー(SPDR)のS&P500高配当ETF【SPYD】

【SPYD】とは米国株のなかでも高配当のものに分散投資するETF(上場投資信託)です。
【SPYD】はETF業界大手のスパイダー社が運営しています。
高配当の米国株にまとめて投資できる
アメリカは世界の中でもっとも株式市場の規模が大きく、有名企業もたくさんあります。
例えばアップルやマイクロソフト、フェイスブックやアマゾンはすべて米国株として扱われています。
【SPYD】では規模の大きい米国株のなかでも高配当のものに限って投資しています。
そのため配当利回りは4.30%(2019年11月10日時点)と投資すれば高い配当金をもらうことが可能です。
例えば100万円を投資したら1年間で約4.3万円を受け取ることが期待できます。(税金の影響を除く)
現時点では同じ高配当ETFの【VYM】や【HDV】よりも高い配当利回りで、魅力的です。
【SPYD】に投資される高配当株はS&P500に当てはまるものだけです。
そのなかで配当利回り上位80銘柄に投資されます。
S&P500とはアメリカにある証券取引所に上場している銘柄から代表的に500銘柄を選択したものです。
そのため【SPYD】では大型株が中心となります。
S&P500に連動したETFとして【VOO】が有名です。
SPYDの概要
データソースはスパイダー社のHP(2019年11月10日時点)です。
ベンチマーク | S&P500高配当指標 |
ティッカー | SPYD |
経費率 | 0.07% |
純資産総額 | 20.27億ドル |
配当スケジュール | 四半期毎 |
設定日 | 2015年10月21日 |
上場取引所 | NYSE Arca |
【SPYD】の信託報酬は0.07%と大変安くなっています。
アメリカ全体に投資する【VTI】は0.03%なので少し高くなっていますが、かなり低い部類に入ると思います。
純資産額は20.27億ドル、これは日本円で約2200億円になります。
信託報酬が低い理由は【SPYD】というETFが多くの資金を集めることができるからです。
またスパイダー社のライバルであるバンガード社が低手数料を推し進めていることも大きいです。
SPYDの詳細データ
【SPYD】のデータは2019年11月7日、【VTI】は2019年9月30日時点のものとなっています。
SPYD | VTI | |
構成株式銘柄数 | 80 | 3,624 |
株価収益率 | 15.49倍 | 20.3倍 |
株価純資産倍率 | 1.90倍 | 3.0倍 |
【SPYD】はS&P500高配当株80銘柄で構成されており、【VTI】の構成銘柄数の約2%となっています。
バンガードの高配当ETF【VYM】の銘柄数は約420なので、【VYM】と比べると分散に欠けるところがあります。
株価収益率(PER)は15.49倍と市場平均と比べると割安です。
また株価純資産倍率(PBR)は1.90倍とこちらも割安です。
高配当株は株価が安い水準におさえられているからこそ高配当になっているので、割安なのは当然です。
SPYDの産業構成
【SPYD】の産業構成と保有上位10銘柄のデータソースはスパイダー社のファクトシート(2019年9月30日時点)です。
不動産 | 19.82% |
一般消費財 | 16.46% |
エネルギー | 11.71% |
公益事業 | 10.91% |
生活必需品 | 9.88% |
金融 | 9.42% |
情報技術 | 6.44% |
通信コミュニケーション | 5.35% |
素材 | 4.88% |
ヘルスケア | 2.74% |
現在の産業構成は不動産が19.82%、一般消費財が16.46%、エネルギーが11.71%と続きます。
不動産セクターは高配当で株主還元に積極的なREITが中心です。
エネルギーセクターはシェールガス革命によりかなり割安になっており、結果的に高配当になっています。
【VYM】と比べると不動産の割合がかなり大きいことが特徴です。
同じ高配当ETFの【VYM】や【HDV】では不動産セクターにはほとんど投資されていません。
高配当株に投資しつつ不動産セクターにも投資できる点に魅力があります。
SPYDの保有上位10銘柄
Newell Brands Inc | 1.64% |
Campbell Soup Company | 1.46% |
AT&T Inc. | 1.43% |
AbbVie Inc. | 1.41% |
Nordstrom Inc. | 1.41% |
Entergy Corporation | 1.41% |
HCP Inc. | 1.40% |
Kimco Realty Corporation | 1.40% |
Southern Company | 1.40% |
Western Union Company | 1.40% |
純資産総額に占める上位10銘柄の割合 | 14.36% |
【SPYD】の構成比率TOP10です。
とはいってもS&P500高配当株80銘柄へある程度は均等に分散投資されているため、各銘柄の構成比率は似たようなものになってきます。
【VTI】ではマイクロソフト、アップル、アマゾン、アルファベット、フェイスブックとそうそうたる企業が並び立っていましたが、【SPYD】には彼らの顔は登場しません。
代わりに通信企業のAT&T、石油メジャーのエクソンモービル、製薬企業のアッヴィといった企業が主要銘柄となります。
SPYDのトータルリターン
2019年9月30日までのトータルリターンです。
SPYD | VTI | |
過去1年 | 5.98% | 2.91% |
過去3年 | 8.42% | 12.82% |
過去5年 | ― | 10.43% |
設定来(2015~) | 11.13% | ― |
過去3年について【SPYD】は【VTI】と比べるとトータルリターンが下回っています。
しかしながら、高配当を受け取りながらこれだけのリターンを享受できるのは魅力的です。
また、不景気時は【SPYD】が【VTI】をアウトパフォームする可能性もあります。
SPYDの分配金情報
分配金の単位はドルです。
2019年
2019/09/20 | 0.447 |
2019/06/21 | 0.461 |
2019/03/15 | 0.339 |
合計(暫定) | 1.249 |
2018年
2018/12/21 | 0.443 |
2018/09/21 | 0.450 |
2018/06/15 | 0.376 |
2018/03/16 | 0.348 |
合計 | 1.618 |
2017年
2017/12/15 | 0.398 |
2017/09/15 | 0.362 |
2017/06/16 | 0.342 |
2017/03/17 | 0.317 |
合計 | 1.422 |
【SPYD】は2018年に1.618ドルの分配を行っています。
日本円にして約175円ですね。
2019年11月10日時点の【SPYD】の株価は39.26ドルなので、約4300円を投資したら約175円を受け取ることができます。(税金を除く)
さらに今年はそのラインを超えてくると思います。
SPYDの株価指標
予想PER:13.87(2019年11月8日時点、モーニングスターHPより)
配当利回り:4.30%(2019年11月10日時点)
SPYDのまとめ
【SPYD】では高配当米国株にまとめて投資できる。
このETF1本で高配当株の管理もしてくれるので、とても便利な代物です。
高配当を受け取りたいと思ったら【SPYD】などの高配当ETFへの投資を検討することをおすすめします。
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