米国株セクター投資の魅力を解説!今おすすめのセクターは?【最新版】

2019年6月30日

こんにちは、アーサーです。

この記事ではアメリカの一部産業に集中投資する米国株セクター投資の魅力について解説するとともに、おすすめのセクター(産業)を紹介しています。
米国株セクター投資を考えている方だけでなく、投資やアメリカ経済に興味のある方なら誰でも参考になるはずです。

余談ですが、先日に皆さんのおかげでフォロワー1500人を達成することができました。

ついに1500フォロワー超えました!
これからもよろしくお願いします

感謝の限りであるとともに、米国株セクターの情報提供・分析をより頑張らないといけないと感じました。

(この記事は最新版です。)

(この記事の内容には、個人の主観が含まれます。誤りがある場合もあります。また、投資の判断はご自身で行うようにしてください。以上をご理解の上、ご覧ください。)

米国株セクター投資とは

セクター投資とは業種ごとに分けて投資する手法のことをいいます。

セクター投資の魅力は

① ETFで分散投資を簡単に実現
② ポートフォリオの管理がしやすい
③ 売買手数料を少なくすることができる
④ 期待しているセクターに集中投資できる
⑤ ポートフォリオを攻撃的もしくは守備的に変更しやすい

というところにあります。

① ETFで分散投資を簡単に実現

大手インデックス・ファンドは米国株についてセクターETFを作成しています。特に有名なのがバンガードのもので、私がいつもtwitterであげているセクターのパフォーマンス表はバンガードのETFを使用しています。

セクターETFは大抵の場合30銘柄以上で構成されるため、リスクが低い分散投資を簡単に実現できます。

② ポートフォリオの管理がしやすい

セクターETFを使用することでポートフォリオの銘柄数をおさえることができます。個別株による分散投資では最低でも10銘柄以上は欲しいところですが、その数の個別株を10年以上も管理し続けるのは容易ではありません。

しかしセクターETFなら倒産することもないので、安心して保有しつづけることができます。

③ 売買手数料を少なくすることができる

地味ながら重要です。ポートフォリオの銘柄数が少なくなるため、投資額が100万を超えてくる場合は売買手数料が低くなります。
また、個別銘柄より分散されているため長期保有しやすく、売買手数料だけではなく利益確定による課税もおさえることができます。

米国株の売買手数料は高めなので、投資額が少ない方にとっても無視できないメリットです。

④ 期待しているセクターに集中投資できる

市場全体に投資するインデックス投資と比べ、今はやりの情報技術や医療関係の産業に集中投資することができます。逆にいえば、オールドエコノミーである製造業などをポートフォリオに加えたくないときにもセクターETFが有効です。

⑤ ポートフォリオを攻撃的もしくは守備的に変更しやすい

例えばヘルスケアセクターに60%、生活必需品セクターに40%投資することで気軽にディフェンシブなポートフォリオを作成することができます。 成長性の高いポートフォリオにしたいならハイテクセクターETFを活用するなどの選択肢もあります。

セクターの一覧表

バンガードのETFは信託報酬という手数料がかなり低い傾向にあるので、バンガードのセクターETFにそって各セクターを紹介します。

VHTヘルスケア
VGTハイテク(情報技術)
VDC生活必需品
VCR一般消費財
VOX通信コミュニケーション
VDEエネルギー
VFH金融
VAW素材
VIS資本財
VPU公共
VNQ不動産

バンガードのセクターETFはGICS業種分類に基づいています。 ただしバンガードのセクターETFの中に不動産を扱うものがなかったため、代わりに不動産セクターETF【VNQ】を記載しました。

各セクターの構成比率

アメリカ株式市場では代表的指数のS&P500に連動するETFとして有名な【VOO】のセクター構成率は以下の通りです。(2018年12月31日時点、バンガード社の運用報告書より、この構成比率には短期債券0.5%分が混ざっています。)

ハイテク20.0%
ヘルスケア15.5%
金融13.3%
通信コミュニケーション10.1%
一般消費財9.9%
資本財9.1%
生活必需品7.4%
エネルギー5.3%
公共3.3%
不動産2.9%
素材2.7%

こうしてみるとアメリカ経済をけん引してきたハイテクおよびヘルスケアセクターの構成比率が高いですね。
金融セクターはリーマンショックにより構成率を落としていますがそれでも3位を維持しています。

各セクターのパフォーマンス

バンガードセクターETFのベンチマーク(価格が決まる際の基準)は小型株も含みますが、こちらはS&P500内のセクターパフォーマンスになります。

過去10年ではハイテク、一般消費財、ヘルスケアセクターの調子が良かった
(画像はFidelityより、令和元年11月29日時点)

参考:Sectors & Industries – Performance – Fidelity

セクターの紹介

次に各セクターの紹介です。

個人的評価になってしまいますが、セクターを

  • 長期的な成長性
  • 安定性
  • 割安度

で分けて評価します。10段階評価です。評価した日時は2019年11月30日です。

長期的な成長性はセクターが拡張するかどうか、利益率が高いか、ブランド力があるかどうかをもとに最後は個人的に判断しています。

安定性は不景気に強いかどうかを主に見ています。何らかのリスクがある場合は評価が落ちます。

割安度は1年後の予想PER(2019年10月31日時点)を見ています。参考にしているのはモーニングスターの英語版サイトです。
(市場平均【VOO】の予想PERは18.68です。
今回の評価基準は
☆10(30%引以上)→13.07↓
☆9(22.5%引以上)→14.47↓
☆8(15%引以上)→15.87↓
☆7(7.5%引以上)→17.27↓
☆6(市場平均以下)→18.68↓
☆5(7.5%高以下)→20.08↓
☆4(15%高以下)→21.48↓
☆3(22.5%高以下)→22.88↓
☆2(30%高以下)→24.28↓
☆1(30%高以上)→24.28↑
としています。)

VHT  ヘルスケアセクター

成長 ☆☆☆☆☆☆☆☆
安定 ☆☆☆☆☆☆☆
割安 ☆☆☆☆☆☆☆
予想PER 16.46(2019年10月31日時点、以下同様)
特記 ディフェンシブ、政策リスクあり

ヘルスケアセクターは大まかに製薬、医療機器、バイオ、保険業界に分けられます。 不景気に強いディフェンシブセクターとして有名です。

将来的には人間の寿命が延び、高齢者社会になっていくのでヘルスケアセクターの需要も伸びると予想されています。 新しい技術を常に求めているセクターでもあり、薬や医療機器技術の特許などの関係から競争過多にならないところが強みです。

保険業界は成長率が高く期待できるセクションなのですが、ここ最近はアメリカの次期大統領候補が民間保険会社と競合する国民皆保険制度の導入を提案したことで、将来の見通しが不透明になっています。 薬価の高さも問題になっており、最近の製薬会社の決算を見ても薬の値下げが足を引っ張っているところはあります。

しかしそれ以上に薬の売上量が増えているので、薬の減価問題が長く続かなければ成長率も回復すると見ています。

大統領選挙が近づくにつれて国民皆保険制度の単語を目にすることが多くなりました。
しかし国民皆保険は財政負担が大きいため、他の大統領候補から批判が集まっていました。
さらに民間保険が完全に禁止すると保険業界につとめる約55万人の雇用に影響があることから、大統領候補のウォーレン氏は「公的保険の範囲を広げながらも当面の民間保険は継続」に政策提案の舵をとりました。

政治リスクが大きくなってきていることを考慮して、前回から安定性の☆をひとつ減らしました。
(安定性☆8→☆7)

ヘルスケアセクターの構成です。
(画像はバンガード社のHPにある各ETFのファクトシートより、平成31年3月31日時点、以下略)

VGT ハイテクセクター

成長 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
安定 ☆☆☆☆☆☆☆
割安 ☆☆☆☆
予想PER 21.34
特記 高成長、米中貿易戦争の影響あり、常に割高

未来に対する期待度NO1のハイテクセクターです。 以前はグーグルの親会社アルファベットやフェイスブックも入っていましたが、今は通信コミュニケーションセクターに移動しました。

現在のVGTはマイクロソフトやアップルに支えられています。 また、ビザやマスターカードといった電子決済サービスもVGTに入っています。

これからAIやロボットが社会に進出してくるため、情報技術に対する期待度は相変わらず高いです。 そのため株価としては常に割高になってしまいます。
とはいえ現在は市場平均自体が高く、平均との差が大きくあるわけではありません。
ハイテクセクターは市場規模が20%あるので市場平均にそれなりの影響を与えてしまいますが、それでも大きく割高とはいえないかもしれません。(市場平均が既に割高と感じるなら話は別です。)

また、アップルは中国との関係が深いため、米中関係が悪化するとアップルにも悪影響があります。
とはいえアップルのCEOティム・クックがトランプ大統領に対して外交戦略でうまく立ち回ったことから、当面は関税を回避できそうです。
マイクロソフトはクラウドの成長力がかなり高く、オフィス製品のネットワーク効果とブランドは本物です。

ビザやマスターカードの電子決済サービスは安定性が高いこともあり、安定性を星7つとしました。

ハイテクセクターの構成です。

VDC 生活必需品セクター

成長 ☆☆☆☆☆☆
安定 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
割安 ☆☆☆☆
予想PER 20.50
特記 ディフェンシブ、高配当

コカ・コーラやペプシコーラが主力の生活必需品セクターです。 どんな不景気になっても生活必需品ばかりは必要になることから、ディフェンシブ性は極めて高いです。

ブランド力の強さが利益率の高さを生み出しています。 プライベートブランドが脅威になってきており、パフォーマンスが落ちる局面もありましたが最近は好調です。

このセクターは設備投資が多額になることがありません。
不景気時には設備投資が無駄になってしまうこともあるわけですが、生活必需品セクターではそのようなリスクは抑えられています。

そのディフェンシブ性の高さから株価は割高となっています。

「健康志向」が広まってきているのも懸念のひとつです。
今のタバコや清涼飲料水は「健康志向」とは相容れないため、環境の適応が求められています。
そういう意味でコカコーラ・ゼロはうまく環境適応した商品で、今年も2桁成長を達成しています。

生活必需品セクターの構成です。

VCR 一般消費財セクター

成長 ☆☆☆☆☆☆☆☆
安定 ☆☆☆☆
割安 ☆☆☆
予想PER 22.10
特記 景気循環、アマゾンの影響大、関税の影響あり

アマゾンで有名の一般消費財セクターです。 景気の影響を受けやすいセクターとして有名です。

不景気時に投資できたら大きなリターンが期待できます。 アマゾンの影響で割高になってしまっていますが、アマゾン自体はクラウドという高成長・高収益事業をかかえているため、仕方ないところはあります。

関税の影響をそのまま受けるセクターでもあり、米中貿易戦争が進展する場合は不調が予想されます。

マクドナルドやスターバックスなど、生活必需品セクターでもおかしくないような銘柄もあります。
これらの銘柄が不景気時に耐性を発揮することを期待して前回から安定性を☆2つ増やしました。
(安定性 ☆2→☆4)

一般消費財セクターの構成です。

VOX 通信コミュニケーションセクター

成長 ☆☆☆☆☆☆☆
安定 ☆☆☆☆☆☆☆☆
割安 ☆☆☆☆
予想PER 20.39
特記 稼ぎ手の広告事業と安定の通信事業に分かれている、高配当

2018年にグーグルとフェイスブックというネット広告大手が通信コミュニケーションセクターに移動しました。 もともと構成されていた通信系企業は低成長ながら高配当だったため、高配当投資家には魅力に感じるセクターだったのですが、通信企業の割合が小さくなりすぎたためにセクター区分の変更が行われたわけです。

しかしグーグルとフェイスブックは今やイケイケの企業であり、VOXは方向性の違う産業を2つかかえてしまっている状態だといえます。 通信事業は公共性が高いですが、通信設備への投資額が膨大になるため、特に今は「5G」への投資額が膨らんでいるのもあって通信系企業は割安となっています。

残念ながらグーグルとフェイスブックがかなり割高なため、VOXも割高になってしまっています。 安定性は評価が難しいですが、ネット広告事業と通信事業はどちらも安定性は高いと見て星8つとしました。
ネット動画配信で争っているネットフリックスやディズニーもこのセクターです。
成長性の高い産業も多いので、成長性の☆をひとつ増やしました。
(成長性☆6→☆7)

通信コミュニケーションセクターの構成です。

VDE エネルギーセクター

成長 ☆☆☆
安定 ☆☆☆
割安 ☆☆☆☆☆☆
予想PER 18.20
特記 原油価格の影響大、高配当

原油価格に影響されやすいエネルギーセクターです。 原油価格が高くなれば利益率も高くなるのですが、アメリカ発のシェールガス革命を受けて原油価格は伸び悩んでいます。

将来的にセクターが縮小する可能性が高く、リターンもあまり期待できないものになりそうです。 個人的にはもう少し割安になってほしいところではあります。

とはいえ最近はエネルギーセクターの評価が見直されそうです。
ファクトセットによる分析では、来年のエネルギセクターは高成長が期待されるとのことです。

結局のところ、原油価格が回復するかどうかがカギを握るセクターだといえます。

エネルギーセクターの構成です。

VFH 金融セクター

成長 ☆☆☆☆☆☆
安定 ☆
割安 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
予想PER 12.57
特記 政策金利の影響大、景気循環

こちらは政策金利に影響されやすい金融セクターです。 高金利になれば銀行の収益も伸びることが期待できるのですが、今は利下げの流れなので見通しは明るくないです。

景気の影響を受けやすいセクターでもあります。 好景気の時は高金利で高株価、不景気のときは低金利、低株価になるので、不景気になると投資銀行を含む銀行や証券会社には大打撃です。
預金金利が高く手数料が低いネット銀行やネット証券の台頭も脅威だといえます。

株価はかなり安くなっています。
割安度の評価は☆10と最大を記録しており、いかに安いかが伝わってきます。
ウォーレン・バフェットが大きく投資しているセクターでもあります。

金融セクターの構成です。

VAW 素材セクター

成長 ☆☆☆☆☆
安定 ☆☆
割安 ☆☆☆☆☆☆
予想PER 18.52
特記 景気循環、インフレ耐性

化学品や鉄鋼などを供給している素材セクターです。 とても地味なセクターで経済ニュースでも取り上げられることが少ないです。

いつも米国株に関する経済ニュースを追っていても素材セクターに興味があまりないこともあって素材セクターについての知識はたまりません。 どうやら好景気に強いようで、特にインフレ下では物価を上げやすいため素材セクターには追い風のようです。

逆に不景気時は大きく下げてきているので注意ですね。

予想PERは市場平均並みなので、そこから割安になるのを待ちたいところです。

素材セクターの構成です。

VIS 資本財セクター

成長 ☆☆☆☆☆
安定 ☆☆☆☆
割安 ☆☆☆☆☆☆
予想PER 18.22
特記 なし

製造業が多く集まる資本財セクターです。 最近ではGEが減配してしまったことで大暴落したことが記憶に新しいですね。

オールドエコノミーのセクターということもあり、将来的にはセクターの縮小が予想されます。
しかしながらここ10年のパフォーマンスは意外にも良好で、年率15.58%(2019年6月30日時点、【VIS】基準)を叩き出しています。
そのため成長性を前回から☆2つ増やしました。
(成長性☆3→☆5)
とはいえ大手企業のなかに債務超過している企業がいくつかあるのは気がかりです。
株主還元に対する積極性が生み出したものですが、債務超過はあまり良い傾向だとはいえません。

資本財セクターの構成です。

VPU 公共セクター

成長 ☆☆☆☆
安定 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆
割安 ☆☆☆☆
予想PER 20.82
特記 ディフェンシブ、政府に依存、高配当

公共セクターはディフェンシブで有名です。 市場全体の暴落時には逆によく買われています。

電気料金や水道料金を市民から徴収する形を取るので、自治体や政府の影響をおのずと受けます。 基本的に不景気になっても電気料金や水道料金は下がらないのでその点ではディフェンシブです。
しかし逆にいえばこれらの料金を上げすぎると市民の不満がたまってしまいます。
そのため高い成長性を期待するのは難しいはずですが、分析会社のファクトセットによると最近は公共セクターの成長性が高くなってきているとのことです。
電力には石油が石炭が必要ですが、原油価格が低迷する一方で、電力会社は恩恵を受けていたのかもしれません。

トランプ大統領は大規模なインフラ投資を予定しているため、公共セクターの株価は値上がりし割高となりました。

公共セクターの構成です。

VNQ 不動産セクター

成長 ☆☆☆☆☆☆
安定 ☆☆☆☆☆☆☆
割安 ☆☆☆☆
予想PER 39.89
予想PBR 2.67
特記 高配当、実質強制的に株主還元、不動産価格の影響大

REITで有名な不動産セクターです。 REITは利益の9割を投資家に配当することで法人税を免除される特典を受けられます。

この点では間違いなく投資家にも有利です。 しかし今のVNQはPBRが2.0を超えており、PERも30を超えています。
しかし株主還元がほぼ確実にされることから、 「PERは15が目安」という評価基準は不動産セクターにはあてはまらないと考えています。
予想配当利回りは3.56%(2019年10月31日時点)となかなかの利回りになっています。

不動産価格は今のところ安定して推移しており、リーマンショック級の下落局面以外では大きな暴落もなく伸びてきています。 不動産セクターが割高なのはこの不動産価格の伸びを期待しているからかもしれません。

不動産価格が暴落した場合は、VNQも大きく暴落することが予想されます。

なお、VNQはまだ日本の証券会社で取り扱われてないようです。 代わりになるETFとしてIYRがありますが、信託報酬は高めです。

日本の証券会社に信託報酬の低いVNQが取り扱い銘柄として追加されることを願っています。

おすすめセクターは

星の数が多い順で決めます。

1位 ヘルスケアセクター ☆22個
2位 ハイテクセクター ☆21個
2位 生活必需品セクター ☆20個

政治リスクこそありますが、やはりヘルスケアセクターは大きな期待ができます。 今年のパフォーマンスは悪いですが、長期的には狙い目だと思っています。

ハイテクセクターや生活必需品セクターも優秀ですね。 今後がどうなるかの予想は難しいですが、この3セクターは鉄板だと思います。

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