米国大手製薬会社ファイザー、メルク、イーライリリーの決算【2019年7月第5週】

2019年7月30日

こんにちは、アーサーです。

今回は7月29日と30日に決算を発表したアメリカ製薬大手ファイザー、メルク、イーライリリーの決算結果を簡単に紹介します。

ファイザー PFE

ファイザー決算
Pfizer (NYSE:PFE) Q2’19
EPS(Non-GAAP) $0.80 予想 +$0.05
売上 $13.26B (-1.6% Y/Y) 予想 -$160M

FY2019ガイダンス
売上 $50.5~$52.5B (従来 $52~$54B)
EPS(Non-GAAP) $2.76~$2.86 (従来 $2.83~$2.93)

特許切れ医薬品事業をマイランと統合する計画発表

ファイザーの決算は良くなかったです。
今期のEPSこそ予想を上回りましたが、売上は予想より下回り、通期予想レンジにそれなりの下方修正が出てしまいました。

特許切れ医薬品事業を分離してマイランと統合する計画を同時に発表しています。
詳しい内容はわかりませんが、事業を絞る方向は悪くないと思います。
事業の範囲が広ければ広いほど経営陣の負担も大きくなってしまいますが、逆に事業を絞れば経営負担を下げることにも繋がるわけですね。

メルク MRK

アメリカ製薬大手のメルクが決算を発表しました。

EPSは予想$1.16に対して$1.30
売上は予想$11.0Bに対して$11.8Bと予想を上回りました。

通期の調整後EPSと売上の予想レンジに上方修正が出ており、良い決算だったと言えそうです。

時間外取引で3%の上昇を見せています。

メルクの決算はかなり良かったです。
EPS、売上ともに予想を上回り、通期の予想レンジにも上方修正が出たことは好感です。

売上高は12%増、純利益は18%増、調整後EPSは23%増となかなかの成長力ですね。

ファイザーの決算が良くなかっただけに、このメルクの好決算はヘルスケアセクターにとって大変喜ばしいものになったと思います。

イーライリリー LLY

イーライリリー決算
Eli Lilly (NYSE:LLY) Q2’19
EPS(Non-GAAP) $1.50 予想 +$0.05
売上 $5.64B (+0.9% Y/Y) 予想 +$50M

株価は時間外で+1.3%

世界で初めてインスリンの製剤としての実用化に成功した製薬企業。

イーライリリーの決算は悪くなかったです。
EPSと売上は予想を上回りました。

イーライリリーの決算資料です。薬の価格が減少する中、販売量の増加で成長を維持していることが分かります。
CER = price change + volume change(イーライリリーの決算資料より)

ヘルスケアセクターの現状を知る上で大変貴重な資料です。
イーライリリーでは薬の価格が下がる代わりに販売量を増やすことでなんとか成長を維持している状況となっています。

特にアメリカでは4%の減価となっています。
しかし意外なのはヨーロッパや他の国(日本を除く)でも減価されているということです。

医薬品の減価傾向はアメリカだけではなく、世界的なものなのかもしれません。
これが一時的なものなのか、そうでないのかは判断がつきません。

しかしながら薬の販売量は大きく増やせていることから、高齢化社会にともない医薬品需要もよりいっそう強くなってきていることが分かります。

医薬品は公費で賄われている部分もあるため、需要が増えるに従い価格が下落してしまうのは仕方ないことなのかもしれません。
普通なら逆なんですけどね。
医薬品の供給力がかなり高いからこそ起きる現象なんでしょうか?
いろいろ考えたくなるところですが、今日は手短にここまでとします。

製薬企業の決算は明暗が分かれたものの全体的には良好か

かなりの好決算だったメルク、予想を上回ったイーライリリー、がっかりな感じのファイザーと企業によって結果が違いましたね。
7月16日に決算を発表したジョンソンエンドジョンソンは予想を上回る良決算でした。

アッビィの決算も以下の通り好決算でした。

アッヴィ決算
AbbVie (NYSE:ABBV) Q2’19
EPS(Non-GAAP) $2.26 予想 +$0.05
売上 $8.26B (-0.3% Y/Y) 予想 +$170M

昨年最も世界で売れた薬ヒュミラの会社。

ボトックスのアラガン買収を先日発表している。

株価は時間外で+1.9%

こうしてみるとファイザー以外は予想を上回る決算を出すことができています。
製薬セクターは良好な決算が大半を占めたといえそうですね。

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ジョンソンエンドジョンソンの決算から医薬品の減価問題を考えた記事です。