【米国株】2019年のセクター振り返り!2020年のセクター予想の勝者はどこに?

セクター分析

こんにちは、アーサーです。

この記事では2019年の米国株式市場をセクター別に振り返り、2020年のセクターがどうなるか予想していきます

2020年については既にもみあげさんが記事にしていますがあくまでアナリスト基準ということなので、私自身も予想していこうと思います。

https://twitter.com/momiage0088/status/1210311802875023360

(この記事の内容には、個人の主観が含まれます。誤りがある場合もあります。また、投資の判断はご自身で行うようにしてください。以上をご理解の上、ご覧ください。)

2019年をセクター別に振り返る

実は米国株式市場は12月31日まで開いているので、ここでは12月27日までの暫定結果となります。
このデータはあくまで株価の指標であり、配当は別に出ているのでご注意ください。(配当再投資をする場合、再投資する時期の関係でただ年初来パフォーマンスに配当利回りを足すだけではたりません。)

(画像はFidelityから引用したものを編集、令和元年12月28日時点)

参考:Sectors & Industries – Performance – Fidelity

今年は大暴落した直後から始まりました。
そのため年初来のパフォーマンスはすこぶる良くなっていて、S&P500のパフォーマンスは+29.25%となっています。
その中でもハイテクセクターのパフォーマンスが+48.37%と凄まじく、産業構成比率の高さもありS&P500に勝てているセクターが3つしかない原因を作っています。

フェイスブックやアルファベットが入っている通信コミュも+31.98%と良かったです。
バークシャーハサウェイのCEOウォーレン・バフェット氏が比重をかけて投資している金融セクターも市場平均を超えるパフォーマンスを示しました。
割安であること、相場が弱気から強気に反転したこと、自社株買いを含めた株主還元力の高さが金融セクターの高いパフォーマンスにつながったと思います。

一時期ツイッターで話題にでた公共セクターは+21.67%となりました。
リセッションになれば高い不景気耐性を期待できますが、相場環境との相性がよくなかったですね。

ここからはさらにいくつかのセクターを詳細に見ていきます。

ハイテクセクター

まずは最大のパフォーマンスを発揮したハイテクセクター、1.5倍近いリターンを叩き出しています。
数多くのアナリスト予想を裏切ったアップルが約83%も上昇したことが一因です。
この原因はまとめると

  • 米中貿易戦争が緩和状態
  • ティムクックの外交手腕により関税をほとんど回避
  • アップルTV+など新しいサービスが好調
  • iPhone11の売れ行きが好調
  • 2年で15兆円規模の自社株買い

といったところです。去年の末ぐらいはiPhoneのシェアがさらにどんどん落ちるんじゃないかとすら思われていたので、その予想を裏切ったということですね。
他の企業もそうですが、アップルにとって米中貿易戦争が一時休戦状態になっているのは大きいと思います。
トランプ大統領が来年の11月に選挙を控えているため、あまり強く出れないです。
(あえて中国に強く出ることで株価を犠牲にして強い大統領アピールをする可能性を何ヶ月か前に検討しましたが、杞憂に終わりました。)
さらにアップルは中国との関係がかなり深いので、米中で摩擦が起きると困る立場です。

またCEOのティムクック氏が見事な外交手腕を発揮してiPhoneなどの主力商品に対する関税をほとんど回避させたのは見事の一言です。
これはかなり予想が難しかったと思います。
自社株買いも尋常じゃないレベルの規模です。
なにせ15兆円ですからね。
株価が安いときにこれだけ買い戻せば、自然と株価も回復するものです。

ただ結局のところ一番大きいのはアップルTV+などの追加サービスが大きな事業になりそうだということですね。
これが太い1本の柱になってくれればiPhone依存ではあるもののアップルにとっては良い収益源になります。

マイクロソフトも+57%でした。
クラウド「Azure」の売上成長率は+59%と絶好調です。
今後のマイクロソフトを支える大きな存在になっていくと思います。

なぜクラウドがここまで儲かるのか私はよくわかっていなかったので調べてみました。

クラウドサービスには以下のようなメリットとデメリットがあります。

メリット
手軽に利用を始められる
必要なハードウェアやソフトウェアはサービス提供者側が用意済です。サービス利用の契約さえ済めば、すぐに(たいていは数日間で、早ければ即時に)サービスを利用できます
初期費用が安いこと
サービスによりますが、クラウドサービスでは初期費用が安く、スモールスタートや試行利用の容易な価格設定になっています。オンプレミスではハードウェアの購入費用やソフトウェアの導入作業費用など、多額の初期費用を伴います
運用をサービス提供者に任せられる
オンプレミスでは定期的な保守や、機器故障の対応などを全て自社で行わなければなりません。クラウドサービスではサービス提供者がこれら作業を行うため、サービス利用者は意識する必要がありません

デメリット
カスタマイズに制約がある
費用や技術力は必要ですが、オンプレミスのシステムは自由にカスタマイズできます。一方、クラウドサービスはカスタマイズできる範囲に制約があります。利用者に特殊な要件がある場合、クラウドサービスでは達成できないかもしれません
維持費用が高い
オンプレミスでは機器は買い切りです(電気代や運用費用はかかります)が、クラウドサービスは利用している限り利用料金を伴います。機器構成や利用期間にもよりますが、合計費用(初期費用+維持費用)を比べると、クラウドサービスの方が高くなる場合もあります

参考:Microsoft Azureとは?導入メリットや学習法まで徹底解説

詳しくは上の引用文を読んでほしいのですが、クラウドサビースではハードウェアだけでなくソフトウェアも用意しなければならないところがひとつポイントなのかもしれません。
ハードウェアだけなら小型企業でも用意が可能だと思いますが、質が高いソフトウェアを幅広くそろえるのはコストがさらにかかります。
しかしアマゾンやマイクロソフトなどの大型IT企業なら簡単に用意できます。
さらにシステム保守者の人数や技術の高さ、緊急時の対応、サポートの充実度など、明らかに大型企業の方が有利です。
こうして数の力が「AWS」や「Azure」のブランド力を育んでいる、と予想します。

他にもビザやマスターカードの決済ネットワーク企業、エヌビディアなどの半導体企業が好調だったため、ハイテクセクターは全面高の様相となりました。

通信コミュニケーションセクター

通信コミュはフェイスブックとアルファベットの存在感が大きいのですが、今年はフェイスブックが+53%と好調でした。
去年の末は個人情報流出による動乱でフェイスブックが持つSNSからユーザーが多く離れてしまうのではないかという懸念もあり、かなり下げました。
しかしながら今年の決算でユーザーが増え続けていることが確認できたため、一気に上昇していきました。
仮想通貨「リブラ」は現在のところうまくいっていませんが代わりに決済システム「フェイスブックペイ」が始まるなど良いニュースもありました。

アルファベットは+29.6%と市場平均並みでした。
決算が予想を下回るなど悪いニュースもありましたがそこはグーグルの親会社、高い成長力で市場平均に到達しています。
無配で自社株買いのみなのが難点で、株主還元を積極的に行うようになるか、利益をさらにうまく活用できるようになればパフォーマンスの向上が期待できます。

アマゾン一般消費財セクター

一般消費財セクターにおける期待のアマゾンが+24.49%に終わったことが市場平均を下回った一因だといえます。
こちらの記事でアマゾンが割安かどうか検討したのですが、残念ながら割高という結論に至りました。

リンク:アマゾンのQ2決算を分析、常にフリーキャッシュフロー最大化を目指す企業姿勢は高評価【2019年7月第4週】

10月の決算でも営業利益が逆に減ってしまうなど株価が不振になる原因を作ってしまいました。
とはいえCEOがあのベゾス、クラウド「AWS」は健在と魅力的なところはあります。
市場やアナリストからの評価は依然高いですが、今後はどうなるでしょうか。

ヘルスケアセクター

下から2番目となってしまったヘルスケアセクターですが実は利益は結構伸びていて、市場が0.3%の成長に対して8%以上の成長を達成しており、利益上昇率のセクター順位は2位でした。
売上に至っては13%越え、売上上昇率のセクター順位は1位と絶好調でした。(ソースは12月13日に発行されたファクトセットのレポート)

ではなぜここまでパフォーマンスが悪かったのか?

他のディフェンシブセクターもそうなのですが、相場が弱気のとき(去年の12月)ヘルスケアセクターの株価がそこまで落ちませんでした。
相場が弱気から強気になるとき、得をするのは好景気に強いセクターです。
今年の上位5セクターはどこも好景気に強さを持つセクターでした。

他のポイントとしては

  • 医薬品の高さからくる業界への批判が大きい
  • トランプ政権が医薬品の減価を要求する
  • 価格の安いジェネリック医薬品の導入が進む
  • 新薬開発率が低くなっているという懸念
  • ウォーレン大統領候補の台頭により国民皆保険制度の現実味が一時高まる

ジェネリック医薬品の割合が増えると製薬企業としては稼ぎ所が少なくなるので困ります。
そのため新薬を開発したいところなのですが、最近は成功率もかなり低くなっているようです。
そのため長期展望が少し暗くなっているのかもしれません。
とはいえ薬の需要は増える一方で、売上はガンガンに伸びています。

それよりも問題なのは国民皆保険制度です。
去年の末はまだそこまで意識されていなかったのですが、今年はウォーレン大統領候補が出てきたことで株価がめちゃくちゃになってしまいました。
この制度、今年の途中までは民間医療保険をすべて廃止にするという意味がわからないレベルの政策でした。
今は多少修正されて、時がたつにつれて民間医療保険を廃止にしていく…あまり変わってないですね💦
このリスクがあるため、民間医療保険会社の株価はかなり低い水準に抑えられています。
また保険会社はPBM(薬剤給付管理:医薬品を製薬企業から安く買い薬局などに支給する)という事業も行っているのですが、これも公的になってしまうとなれば、製薬企業への打撃も想像できますね。。
PBMについてはもみあげさんのヘルスケアセクター解説記事がわかりやすいです。

参考:【米国株投資】2020年注目のヘルスケアセクターを徹底解説!

このような背景もあり、ヘルスケアセクターの予想株価収益率(予想PER)はいくらか下がった結果、株価もそこまで伸びませんでした。

生活必需品セクター

全体としては配当抜きで+24.54%となかなかのパフォーマンス、プロクター&ギャンブル(P&G)が+37%越えしたことが大きかったですね。
化粧品を取り扱う美容部門や歯磨き粉を扱うヘルスケア部門がどちらも売上が10%程度伸びたことを市場は好感しています。

清涼飲料水対決はコカコーラが+16.89%、ペプシコーラが24.49%と後者に軍配が上がりました。
この2銘柄に差を見つけるのは難しいですが、大きな差があるとすればペプシコーラは新興国への拡張、有望企業の買収に積極的だということです。(もみあげさんの記事を参考)
長期リターンもペプシコーラに軍配が上がります。

参考:【PEP】ペプシコ銘柄分析 コカ・コーラより上? 世界2位総合食品企業

タバコ対決はフィリップモリスが+29.28%、アルトリアが2.04%と大きな差ができました。
フィリップモリスは加熱式タバコ、アルトリアは電子タバコに力を入れているのですが、加熱式タバコは好調、電子タバコは健康被害による規制リスクと両者に明暗が分かれる形となりました。(こちらももみあげさんの記事を参考。)

参考:【PM】フィリップモリス銘柄分析 収益性抜群の高配当銘柄で人気! 

2020年のセクター予想を発表します

さて、ここからは未来の話です。
2020年のセクター予想、私はアナリストではないですが米国株のセクターについて1年間近く調べ、見てきました。
なので多少はまともな予想になると思いたいですが、ここでわかる方に思い出していただきたいのは「リーグ開幕前に行れわるプロ野球 順位予想」。
予想する対象も増えているわけで、要は当たるわけがないということです。
とはいえある程度指針にはなるかもしれません。

2020年には何が起きる?

未来人でもないしわかるわけがない
大きなイベントとしてはやはり大統領選挙!
2020年11月3日に行われます。
ここが大きな節目になると思います。
この日まではあのトランプ大統領も中国に対していきなり関税をかけ始めたりはしないと思います。
なぜなら選挙のアピールポイントになるアメリカの株価が下がるからです。

1年後には中国がさらに強大になることがメインシナリオなので、選挙直後に米中貿易戦争が再開する可能性は低くないですが、選挙の事後処理もあるので2021年以降にずれ込むかもしれません。

新しい通信ネットワーク5Gがさらに進展することも期待できますね。
5G相場になる可能性も否定できません。
特に来年アップルは5Gに対応したiPhoneを4つも出す予測が出ています。
これも株価が高騰している理由ですかね。新しいiPhoneが欲しい

参考:5G対応のiPhone、2020年に4機種登場か JPモルガン予測

セクター予想で使うシナリオ

「大統領選挙の実施年なので米中貿易戦争は休戦が続く」

「トランプ大統領が再選」

「5G相場がやってくる」

とします。

11位から4位までのセクター順位予想

11位公共
10位生活必需品
9位素材
8位エネルギー
7位不動産
6位資本財
5位一般消費財
4位金融

好景気相場になることを想定しているので公共や生活必需品などのディフェンシブセクターは順位が低くなりました。
エネルギーセクターは8位としましたがここが一番予想が難しく、原油価格の動向次第で最下位もあれば1位もあると考えています。
とはいえ需給関係が相変わらず悪いので、下の順位になる可能性の方が高いと思いますが。
不動産セクターは5G関連REITが伸びる予想、資本財セクターは好景気の恩恵を受けるもののボーイングの主力航空機が生産停止になった影響が長引くと見ています。
一般消費財はアマゾンが割高であるもののクラウドや動画配信サービスが好調、金融は好景気に強いのにかかわらずまだまだ割安なので続伸すると予想です。

ここから3位~1位を発表していきます!

セクター順位予想3位

3位は通信コミュニケーションセクター!
5Gに対応したiPhoneが出ることで通信の契約も活況になることが予想されます。
また5Gが広がることで動画広告が盛んになり、モバイル広告が収益源のフェイスブックとアルファベットが堅調に伸びると考えます。

セクター順位予想2位

2位はヘルスケアセクターです!
2019年は政策リスクもあり割安に抑えられましたが、2020年にトランプ大統領が再選すれば一気に流れが変わると思います。
ジョンソンエンドジョンソンの医薬品事業が来年好調になる見通しで、明るい未来が待っていそうです。

リンク:【ジョンソンエンドジョンソン】ヘルスケアセクターとエネルギーセクター、明暗分かれる【XOM】

さて、1位は…

セクター順位予想1位

1位はハイテクセクター!
5G対応のiPhoneが大きなシェアを取ると予想します。
そうなればアップルや半導体企業の株価がかなり上昇します。
マイクロソフトは急成長のクラウド、ビザやマスターカードも堅調に推移していくことが期待できるので、ハイテクセクターが一番伸びると思います。

最後に

今回予想したシナリオはかなり楽観的なものです。
そのため外れれば展開も大きく変わっていき、この予想もあまり意味をなさなくなります。
裏シナリオである不景気相場では公共セクターや生活必需品セクターが市場平均をアウトパフォームするはずです。
ヘルスケアセクターも大統領の政策次第なところがありますし、既に株価が上昇しているハイテクセクターは5G対応のiPhoneがどうなるかにかかっています。

このような事情があるため、好景気が予想される中でディフェンシブセクターに投資するというのは良い保険になると思います。

関連記事です。

セクター投資について紹介した記事です。こちらでもおすすめセクターについて調べています。

セクター投資の分析記事をまとめた記事です。各セクターの詳細を見ることができます。

ソフトバンクグループについて分析した記事です。孫正義CEOは「大勢に異常なし」といいましたが実際はどうでしょうか?