アマゾンのQ2決算を分析、常にフリーキャッシュフロー最大化を目指す企業姿勢は高評価【2019年7月第4週】

2019年8月15日

こんにちは、アーサーです。

2019年8月14日のsp500マップです。大暴落しています。
2019年8月14日、米国株は炎に包まれた…

米国株市場は乱高下で大変なことになっていますが、ここではアマゾンの第二四半期決算を分析していきたいと思います。

(この記事の内容には、個人の主観が含まれます。誤りがある場合もあります。また、投資の判断はご自身で行うようにしてください。上記をご理解の上、ご覧ください。)

アマゾン(AMZN)の決算

一般消費財セクター ECサイト、クラウド

Amazon決算
Amazon (NASDAQ:AMZN) Q2’19
EPS $5.22 予想 -$0.36
売上 $63.4B (+19.9% Y/Y) 予想 +$810M
AWS +37% Y/Y

株価は時間外で-1.7%

アマゾンの決算は予想に対してまちまちでした。
EPSは予想を下回り5.22ドルとなりました。
売上は予想を上回り、634億ドルもの売上を達成しました。
アマゾンの企業規模を考えると年率19.9%の成長は見事としかいいようがないです。
クラウドの成長率は37%とペースダウンしています。

アマゾンのプレゼンテーションを見てみよう

アマゾンの決算資料はこちらからダウンロード可能です
Quarterly results | Amazon.com, Inc. – IR

アマゾンの決算プレゼンを見てみましょう。

強調されるフリーキャッシュフロー

昔からアマゾンはキャッシュフローを重視している
(TTMは「過去12ヶ月」を意味する)

決算スライドの3ページ目にいきなりフリーキャッシュフローが登場します。
今期は過去12ヶ月で250億ドルものフリーキャッシュフローが生み出されたとのこと。
前年同期比だとなんと140%もの成長をとげています。
毎期ごとに成長していく様子もグロース株としての魅力を高めています。

決算スライドの4-5ページ目もフリーキャッシュフローに関するものです。
それらのスライドにも

Long-Term Goal – Optimize Free Cash Flows
訳:長期的目標 – フリーキャッシュフローの最適化

と強調して表示されています。
もっといえば、2015年の決算スライドからこのセンテンスは登場しています。
昔から、キャッシュフローを重視した経営を行ってきた証ですね。
株主の利益は将来のキャッシュフローから生まれるので、アマゾンが株主のことをよく考えていることが分かります。

アマゾンの売上推移

(TTMは「過去12ヶ月」を意味する)

アマゾンの売上推移です。
このスライドで使われている売上金額は、各四半期から見て過去12ヶ月分のものを指します。
その指標で見るとアマゾンの売上成長率は21%となります。
年間2520億ドルもの売上は凄まじいですね。
ちなみに先日トランプ大統領が中国に3000億ドル相当に10%の関税を課すというニュースがありましたが、アマゾンはこの相当金額の84%に当たる売上を誇っていますからね。
規模の巨大さを感じます。

クラウドの売上比率はたったの12%です。
これでも301億ドルの売上を叩き出していますが。
今後の成長余地はまだまだありそうですね。

アマゾンの営業利益推移

(TTMは「過去12ヶ月」を意味する)

アマゾンの営業利益(TTM)は前年同期比で103%も大きくなりました。
ただし見方を変えると、今期の営業利益(単体)は30億8400万ドルと前年同期の29億8300万ドルから3%しか成長していません。
今期の営業利益が不調だった理由は北米で-15%減益してしまったからです。

北米エリアでの売上は20%成長していて素晴らしいのですが、営業経費も22%増となってしまったため、大きな減益につながってしまいました。

全体を通しての第三四半期の見通しも営業利益は前年同期比で16%から43%までの減益が予想されており、この面でアマゾンは苦闘を強いられそうです。

アマゾンクラウドの成長率

アマゾンのクラウドAWSは好調そのものですね。
売上は年率37%増、営業利益は29%増となっています。

アマゾンの事業の中ではクラウドの利益率が極めて高く、期待できるセグメントです。
他の事業で規模という広告塔・ブランドを確保して、クラウドで稼ぐビジネスモデルということですね。

アマゾンは割高か?

アマゾンのPERは74倍、予想PERは53倍となっています。(S&P500マップでの数値)
そして第三四半期は期待の星クラウド事業を抱えているにもかかわらずアマゾン本社から大幅減益が予想されています。
これだけ見ると完全に割高です。

PERではなくPCFRを見る

しかしアマゾンはキャッシュフローを重視した経営を行っています。
そこで株価を1株あたり営業キャッシュフローで割った指標PCFR(Price Cash Flow Ratio)を計算してみます。

アマゾンの営業キャッシュフロー(TTM)は360億ドルあります。
同じく発行済株式数は約5億あります。
1株あたり営業キャッシュフローは…、72ドルとなりました。

PCFRの適正倍数は約9倍といわれています。
アマゾンであれば株価が648ドルなら適正価格だといえます。

さて現在の株価は…

アマゾンの現在の株価。割高。
高い。

高い。

PCFRは約24.5倍です。

アマゾンの成長性は?

PERではなくPCFRで見てもアマゾンは割高だとわかりました。
しかしそれは当然のことです。
なぜならアマゾンは成長を期待されたグロース株だからです。

米中貿易戦争の最中で予想した成長率を達成できる可能性は高くないですが、少し計算してみます。

現在のところ営業キャッシュフロー(TTM)は前年同期比で65%も成長しています。
しかし2018年の第一四半期は4%しか成長していませんでした。

ということでアマゾンの将来キャッシュフローを計算するのは困難ですが、売上の成長率が今のところ20%なので、営業キャッシュフローの成長率も20%と仮定してしまいましょう。

5年後の1株あたり営業キャッシュフローは179ドルと計算されます。
アマゾンのことなのでPCFRは常に割高となっていそうです。
そこで少し甘めに見て1株あたり営業キャッシュフローに12倍をした値を5年後の適正株価としましょう。

5年後の適正株価は2148ドルとなりました。
現在の株価は1762ドルなので、年率は約4%です。
微妙な結果となってしまいました。

5年後の営業キャッシュフローがより大きくなるか、期待値がPCFR12倍より高くならないと、おいしい結果は来てくれなさそうです。

悲報:アマゾンは割高

アマゾンは営業キャッシュフローの将来成長率が20%でも割高になってしまうことがわかりました。
アマゾンの巨大さを考えると20%の成長は相当すごいことです。
しかしこの20%の成長というのも、今後予想される米中貿易戦争の影響を考えると難しくなる可能性が出てきます。

希望があるとすれば、営業キャッシュフローマージンが大幅に改善される可能性があることです。
クラウド事業の比率が高くなれば自然とこの営業キャッシュフローマージンも改善され、営業キャッシュフローがぐんと伸びることになります。

そうなればこの高い株価も正当化され、良好なリターンが期待できるかもしれません。

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